富士登山の初心者のルート選び 登山ガイドがススめるタイプ別3ルート

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富士登山を成功させるためにはルート選びが重要になってきます。え?富士山にたくさんルートあるの?と思ったアナタ。最後まで読んでもらえたら損はさせませんぜ。

実際、登頂後でもツアー会社まかせでどのルート登ったかわかりません、という人もたくさんいます。ただ、ルートによって大変さが大きく異なりますし、ツアー会社も、いろいろな理由でルートを決めていて、必ずしも簡単なルートにツアーを設定しているとは限りません。大型バスの止めやすさ、山小屋のキャパシティなどいろんな理由があってルート選びしているので、初心者が選ぶべきルートにツアーが設定されているとは限らないのです。

ルート選びの前に、アナタが登る日程と頂上でご来光を見たいか、を決めておいてください。それによっておススメルートは変わります。

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富士登山は全部で4ルートある

富士山に登るルートは全部で4ルート。山梨側にある吉田ルート、静岡の富士宮ルート、須走ルート、御殿場ルートです。

このうち、須走ルートは本八合目という標高3400m地点から吉田ルートと合流します。だから、富士山の火口の淵の周回になっている「お鉢」には3つのルートのどれかから上がることになります。そして、吉田ルートだけは、混雑を避けるために登山道と下山道が別ルートになっています。

各ルートの登り始めは五合目です。五合目までは道路が通っているので、バス、もしくはマイカーで上がれます。吉田ルートの五合目と富士宮ルートの五合目は夏の間マイカー規制をしていますので、それぞれの麓の北麓駐車場、水が塚駐車場からシャトルバスで上がることになります。

約6割の人が登る吉田ルートは、平日ならおススメ。

標準タイム: 登り 8時間 下り 4時間 おススメ度 平日★★★★☆ 土日 ★★☆☆☆

圧倒的に登山者が多いのが、吉田ルート。

ただ、ツアー登山で吉田ルートを使うのは、登るのが簡単な以外にも別の理由があります。それは、五合目の観光バスのキャパが圧倒的に大きいこと、小屋数が圧倒的に多くてキャパシティが多いこと、東京発に限りですが、中央道からのアクセスがよいため、前日に登ったツアー客を当日の戻りのバスで帰せること。

最後の部分だけちょっとわかりにくいかもしれません。例えば7月10日に登るツアー客は東京を朝出て、昼前に吉田ルート五合目につきます。そのバスは、7月9日に登ったツアー客の下山を五合目で待って、15時ごろに五合目を出発、温泉によって東京に戻ります。こうすることによって、バスの乗車効率を上げて、乗務員の宿泊代を節約しているのです。

この吉田口には弱点があります。それは土日の混雑と剣ヶ峰まで遠いこと。

土日の混雑は圧倒的で、海の日からお盆の間の土日はもうカオスです。この頃に吉田ルートを使うのはおススメしません。逆に、平日に登れるのであれば、いいルート。小屋が多いということは何かあった時に安心ですし、トイレも多いし、途中で行動食や飲み物を補給できます。

また、剣ヶ峰まで遠いのは覚悟していってください。

8合目あたりから高山症状に悩ませながらやっと登って、吉田ルートの頂上にある、久須志神社を見て、「やった!」と思ったら、お鉢の向こう側に自分より高いところがある、えーーーー、ってなる人、結構います。

登り切ってもお鉢の淵にたどり着くだけ。日本最高地点はそこから1.5時間から2時間かけてお鉢を一周しなければなりません。これが結構しんどい。

富士登山ツアーでも、お鉢回り付きじゃないツアーは剣ヶ峰までいかないので、要注意です。

また、ツアーを使わずに行く場合の圧倒的なメリットは新宿から五合目までの直行バスがでていること。これを使えばかなり安く早く五合目にたどり着けます。

約3割の人が登る富士宮ルートは、土日でもマイカーならおススメ。

標準タイム: 登り 6時間 下り 5時間 おススメ度 平日★★★★☆ 土日 ★★★★☆

富士宮ルートは、4つの登山口の中で五合目の標高が一番高く、一番短時間で頂上までたどり着くのがメリット。そして、吉田ルートほど混んでいません。一方でデメリットは、交通の便が悪いこと。三島、新富士などからバスが出ていますが、本数も少なく、新宿への直通バス、河口湖への路線バスが出ている吉田ルート五合目と比べると圧倒的に行きにくい場所になります。

マイカーならば麓の水ケ塚駐車場からバスが頻繁に出ているので、マイカーで行ける人にはおススメ。特に、土日は富士吉田ほど混みませんので(それでもかなりの混雑であることは間違いないですが)、おススメです。

須走ルートは、結局吉田ルートと合流するのであまりメリットなし

須走ルートは、五合目がマイカー規制がかかってないので、マイカーで行く方によく使われるルートです。ただ、多少不便でも、富士宮ルートに行ったほうがいいでしょう。

なぜかというと、一番混雑する頂上直下が吉田口と合流するため、混雑を避けることにはならないからです。だったら、五合目の標高が高く、剣ヶ峰に近い富士宮ルートを登るほうがいいでしょう。マイカー規制で水ヶ塚からシャトルバスを使わないといけないとしても、その分のメリットは十分にあるでしょう。

御殿場ルートは登山はドM限定。下山で使う

御殿場ルートは登りで使っちゃいけません。

五合目の標高

吉田ルート2,400m
富士宮ルート2,450m
須走ルート1,960m
御殿場ルート1,450m

一目瞭然、御殿場口から登るのは大変です。

ただ、下山は大砂走りというすなばのようなところを駆け下りるルートになっていて、かなり短時間で下山できます。ここを下山に使うのはアリですね。

一番のおススメは御殿場口と富士宮口のハイブリッド、プリンスルート

私が一番おススメしたいのは、富士宮五合目から御殿場口を登る、「プリンスルート」と呼ばれるルートです。富士宮ルートの五合目から六合目まで登り、そのまま直進すると2時間ほどで御殿場口にでるルートがあります。これがプリンスルート。

プリンスルートを使うことによって、富士宮ルートの五合目の標高が高いメリットと、御殿場口のすいているメリットを両方享受できます。そして、剣ヶ峰までも近い。

ただ、このプリンスルートは御殿場口五合目での宿泊となります。御殿場口五合目は3軒しか山小屋がないので、それらの予約が取れることが必須となります。

下山は、砂走りの下山が楽しめるようであれば御殿場口五合目、砂走りが苦手であれば富士宮口五合目に下山するのがいいでしょう。

まとめ

  • 吉田口は平日ならアリ。土日は混雑がすごい
  • 御殿場口の山小屋の予約が取れれば、富士宮口の五合目から登る「プリンスルート」がおススメ
  • 御殿場口の山小屋が取れなければ、富士宮口の登山がおススメ

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