プリンスルートって富士山のルート名、聞いたことありますか?
一般的には、富士登山のルートというのは、山梨県の吉田口、静岡県の富士宮口、須走口、御殿場口の4つです。この4つ、混雑具合では吉田口>>富士宮口>>>>須走口>>>>>>>御殿場口で圧倒的に吉田口と富士宮口が混んでいます。一方、五合目の高さが違うので、体力面の難易度で言うと富士宮口>吉田口>>>須走口>>>>>御殿場口となります。つまり、圧倒的に人が少ない御殿場口は、圧倒的に体力レベルが高くなります。
この五合目の標高が高い富士宮口の6合目から、御殿場口の6合目に道が通っていて、これを使って富士宮口の五合目の高さと御殿場口の人の少なさの両方のメリットを使おう、というのが、今回解説するプリンスルートになります。
プリンスルートの名前の由来
「プリンスルート」という名前の由来は、2008年に「皇太子徳仁親王殿下」が、富士登山をされた際にご利用になったこと。
当時は、富士宮五合目から御殿場ルートを通って登られ、御殿場口の赤岩八合に宿泊。翌朝無事に登頂され、お鉢回りをした後、御殿場口五合目まで下山されました。
プリンスルートを使うメリット
メリットは2つあって、
- 4つの登山口の中で一番標高の高い富士宮口(2,350m)を使うため、体力的に有利
- 一番すいている御殿場口を使うため、混雑の中歩かなければならないことがほとんどない
- 宝永山などの絶景を楽しむことができる
です。
平日登る、もしくは日帰りで登るのであれば、富士宮口をそのまま登ったほうが時間的にも体力的にも有利でしょう。しかし、土日に頂上でご来光、となると一気にプリンスルートの混雑の中歩かなくていいメリットが浮きだってきます。
あと、メリットというほどのことではありませんが、御殿場口の3軒の山小屋はどこもカレーのおかわりが自由という、富士山の中では珍しい山小屋です。大食いな方はプリンスルートがいいかもしれません。
プリンスルートを使う際の注意点
一方で注意点ですが、
- 山小屋が3軒しかないので、予約必須。土日は結構いっぱいになる
- 宝永山の登りは結構きついので覚悟を決めて
- 富士宮6合目を越えるとトイレが数時間ない
です。
この3つを覚えておけば非常にいいルートですので、ぜひ、プリンスルートにトライしてみてください!
プリンスルートのルート解説
出発は富士宮五合目
出発は、富士宮口の五合目。遅くとも昼過ぎには出発しましょう。宿泊する小屋までは、一番近いわらじ館で4時間ぐらい。日暮れ前に余裕をもって到着しましょう。
六合目で分岐
六合目までは富士宮口、富士宮口の六合目についたら、2軒の山小屋が並んでいる前を通って、左折して上がっていくほうが富士宮ルート、直進するのが宝永山を越えるプリンスルートになります。道標は宝永山と書いてあるので、そちら方向に。
宝永山の登り
宝永山の登りはきついです。1時間弱。かなり足を取られて、3歩すすんで2歩ずり落ちる、っていうような登りですが、ゆっくり、頑張って歩きましょう。上がるときっと絶景が待ってますよ
上がり切ると、宝永山の頂上までは10分ほど。余裕があればいくもよし、富士山頂のみを目指すならスルーするもよし、です。ただ、御殿場口の大砂走での下山の場合、宝永山頂は寄らないのでご注意を
宿泊は3軒の山小屋どれか
宿泊は、わらじ館、砂走館、赤岩八合館のどれかになります。キャパとしては赤岩八合が一番大きいですが、それでも富士宮口や吉田口の巨大山小屋と比べると小さいものです。土日じゃなくても、ぜひ予約してから行ってください。
この3軒はすべてカレーのおかわり自由ですので、たくさん食べて翌日に備えましょう!
ちなみに、砂走館と赤岩八合では、夜中もしくは早朝出発して頂上でご来光見た後、小屋で朝ごはんを食べることができます。味噌汁、ハムエッグ、あったかいご飯。登頂後にゆっくりご飯が食べられるのも魅力です。
下山が同じルートの場合は、不要な荷物を預かってもらうこともできます。
小屋から頂上まで
各小屋から頂上まで3-4時間。頂上に着くと左折で富士宮の頂上、その先30分ほどで剣ヶ峰です。
ちなみに、郵便局も富士浅間神社奥宮も富士宮の頂上にあります。
御殿場口の頂上は休憩所もないので、富士宮の頂上に行って、一休みしてから剣ヶ峰を目指しましょう。
下山
下山は、わらじ館のすぐ下の日の出館(休業中)から登山道とは別の大砂走りに入ります。
大砂走りが得意な人はそのまま下山して御殿場口の五合目まで、苦手な人は途中で来た通りの道を戻れば富士宮口の五合目に出られます。
頂上からの下山で大体4-5時間見ておくとよいでしょう。
ツアーもあります
そんなに多くはないですが、プリンスルートのツアーを出しているツアー会社もあります。
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