富士登山で高山病対策に携帯酸素を使ってはならない

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富士登山で、携帯酸素を持って行って楽に登れるんじゃないか、って思いますよね?

実は、携帯酸素はたいして役に立たないどころか、使ってはならないアイテムになります。

大事なことだからもう一度言います。必須リストに入らないだけではなく、使ってはいけないアイテムです。

その理由を書いていきたいと思いますので、ぜひ最後までお読みください!

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そもそもヒマラヤで使う酸素ボンベは全然違う

確かに、高所登山では酸素ボンベを使うのが普通です。ヒマラヤの8500mを越えた山でほぼ確実に酸素ボンベを使います。8000mでも多くの山で使います。

でも、皆さんが想像している酸素ボンベとは違うかもしれません。

ヒマラヤで使う酸素ボンベは、皆さんが知っている中で言うと、スキューバダイビングのボンベに近いものにになります。空でも1本2キロ以上する重いモノ。金属製で中身は圧縮酸素が入っています。

ちなみに、スキューバダイビングの酸素ボンベとの違いは、中身と材質。スキューバダイビングのボンベは沈むために重いほうがいいことが多い。だから、スチールなどの金属が使われます。登山は絶対に軽くないとダメ。だから、チタン製のボンベが使われます。

また、中身も違います。スキューバダイビングのボンベは圧縮空気。そのまま吸うために、窒素があらかじめ入っています。登山用のものは圧縮酸素。レギュレーターという周辺の空気と混ぜる装置を付けて使います。

そう、そもそも、みなさんが持っていこうとしている、カセットコンロにつけるガスボンベぐらいのサイズの携帯酸素と本格的登山で使う酸素ボンベは言葉は似ていても全く異なるものなのです。

でも、小さな携帯酸素でも少しでも楽になるんじゃないの?

もちろん、小さな携帯酸素であっても、吸っている間は楽になります。逆に、それで楽にならないのであれば酸素とは別の問題です。単純な疲れとか、筋肉がつかれているとか、睡眠不足とか。

単純に酸素不足が解消されるわけですから、その時は楽になります。けれど、それ自体が問題なのです。では、何が問題なのか、その前にヒマラヤではどう使うかを見てみましょう。

ヒマラヤではどう使うか

例えば8848mのエベレストに登る場合、7500mぐらいから酸素を使い始めるのが一般的。そして、酸素を使い始めた高さに下山するまで、酸素を使い続けるのがセオリーです。

酸素を吸い始めるということは、順応を止めるということです。7500mで吸い始める場合、7500mまでは体を徐々に慣らしていき、7500mからは酸素を吸って順応を止めて酸素量でコントロールします。

たくさん出せば体感で4000mぐらいになりますし、量が少なければ6000m程度にしかならない。ただ、そこで酸素が切れてしまうと、体は順応していない高さにさらされることになるので、非常に危険な状態になります。7500mから吸い始めた場合には、7500まで戻ってくるまで吸い続けるのが基本です。

富士山に当てはめると

ヒマラヤでの使い方を富士山に当てはめると、8合目から吸い始めたら下山で同じような高さまで下りてくるまで吸い続けなければいけません。でも、携帯酸素は出し続ければ数分で終わっちゃいますので、現実的ではありません。

一度吸ってしまうと、体が低酸素に順応するのを止めてしまいますので、苦しくても無理してでも登山中は携帯酸素を使わずに登っていかないと、後でもっと苦しくなります。

と、すると、携帯酸素を使ってもいいタイミングは下山中、となるのですが、下山中であれば酸素吸うよりもサッサと下山するのが正しい、となります。

だから、ガイドが持っているようなある程度の時間吸っていられる酸素ボンベならともかく、市販の携帯酸素では、吸うことによるデメリットの方が大きいのです。

ではどうしたらいいの?

高山病対策は、こちらに書いてあるので参考にしてください。

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